気象予報士×税理士 藤富郷のクラウドな話

コラム

「目標設定は変えてもいい」


 目標設定が非常に苦手です。目標を定めてしまうと、達成を義務として捉え、新しいことを始めなければいけないというプレッシャーを感じてしまうためです。
 会社員時代、入社後数年してから評価制度が導入されました。そこで行われたのが業務報告と「目標設定」です。この書類を書くのが嫌でした。1年後のゴールを可視化することで、モチベーションを高める効果はあります。ただ、1年後に目標が達成できたかを報告し、それを基に人事評価がなされるため、大きな目標は立てづらいものでした。当時から税理士を目指していましたが、目標設定の書類には一度も書きませんでした。1年で結果が出るものではないにもかかわらず、達成できなければ査定に響くからです。
 さらに個人的には、予測できない1年後に向かって仕事をするより、通常業務で起きた問題を臨機応変に対応し本質を捉えて改良するなど、目の前のことから始める方が得意だと感じています。一つひとつ仕事を積み上げた先に見えてくる世界があり、その状況を知ってまた次の世界を目指すスタイルのため、最終的なゴールを最初に決められないのです。
 多くのビジネス書には、目標を設定しそれに向かって行動しようと書かれています。ただ、ビジネス理論は米国から導入されたものが多く、個人を重視する米国人に適しているものだと思います。一方、チームワーク重視の日本の場合は環境が異なるため、米国生まれのビジネス理論が絶対ではないはずです。未来の「なりたい」自分に向かって、今「やること」を逆算するのが目標設定の考え方です。一方、ステップを重視すると、今「やりたい」ことを積み上げて、未来に進む考え方になります。どちらかが正しいのではなく、その人に合った方法でモチベーションを高め、その結果を評価すればいいのではないでしょうか。
 最近始めたのは、毎週、自分自身で進捗(しんちょく)状況を見直すことです。今週、今月、その先と、ほぼ業務確認になりますが、やりたいことや目的も含めてチェックしています。そうすると、今週すべきことやできることが分かり、仕事が格段にはかどるようになりました。急な仕事が入っても、毎週進捗を見直しているので対応できます。
 人事評価で目標設定を取り入れている会社もあるかと思いますが、年1回だけで評価をするのではなく、定期的に目標を見直してみることをお勧めします。


気象予報士兼税理士

藤富 郷

◇藤富 郷/ふじとみ・ごう

 気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビ「スッキリ」に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、”複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域と