職場のかんたんメンタルヘルス

コラム

「新しい年の目標の立て方」


 新しい年を迎え、「今年こそ!」と前向きな気持ちで目標を立てている人も多いと思います。思い描いたことをぜひ実現したいですよね。そのためにはモチベーションを持続させることが大切です。
 そこで、少し記憶をさかのぼっていただきたいのですが、昨年の年頭の抱負は何でしたか。それを達成できましたか。もし、残念な結果となり、今年こそと思われているなら、少し目標の修正が必要かもしれません。まずはできなかったことを踏まえて、現時点での状況を書き出してみましょう。
 例えば、「部屋の整理整頓ができない」「資格試験の勉強ができない」のような感じです。書き出したら、文末の「できない」を「しない」に変えてみます。「部屋の整理整頓をしない」となります。それを見てどう感じたでしょうか。できないのではなく、しなかっただけです。行動に移さなかった、もしくは続かなかったのは自分の意思でもあるのです。
 「ま、いいか」と思ったり、考えるだけで面倒になってしまったりしたのかもしれません。つまりそれは、その目標があなた自身の中で優先順位の低いものだったことになります。それをあえてまた目標に掲げるのではなく、切り捨ててしまうことをお勧めします。「いや、そんなことできない」と、反発心が芽生えるなら、試しにそれに関することを今すぐに始めてみましょう。「でも、時間が。お金が」と、行動に移せない理由を考えてしまうようなら、その目標はおそらく今年も達成できません。
 しかし、小さな目標であれば、負担も少なく取り掛かれます。例えば、資格試験の問題集を週末に3時間解くよりも、毎日3問という目標が良いのです。「たった3問だなんて」と思うかもしれません。でも、「週末3時間できなかった」と思うたびにモチベーションが下がり、続けられなくなる可能性が高いです。一方、「毎日3問取り組めた」という達成感はモチベーションを高めていきます。そして、日数がたてばたつほど、その差は開きます。1年後には1000問を突破できるからです。
 目標を達成するためには、すぐ簡単にできるところから始め、持続させることが成功の秘訣(ひけつ)です。達成感はモチベーションに変換され、好循環を生みます。自分にとって簡単にできて、ハードルの低いところから、今すぐに開始しましょう。

日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野 萌子

 

◇大野 萌子/おおの・もえこ

 法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで5万人以上を対象に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書にシリーズ51万部超『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)ほか多数。