本連載では、IT経営マガジン「COMPASS」に掲載した全国のIT活用事例をもとに、中小企業の経営において、ITがどのように役立つかを解説していきます。
コロナ禍で大きな影響を受けた飲食業。店のコンセプト・規模・顧客層等により状況も様々でしたが、群馬県高崎市のHAPPY ISLANDは、コロナ禍で求められた目の前の対応、そして先を見据えた改革やIT活用を進めてきました。
「COMPASS ONLINE」から転載します(記載内容は2022年夏時点のものです)。
<会社概要>
有限会社HAPPY ISLAND(店名:GGC)
群馬県高崎市緑町1-28-2
設立:2003年
従業員数:40人
事業内容:飲食業(ステーキ・ハンバーグなど)(群馬県内にレストラン4店舗、テ
イクアウト店1店舗)
URL:https://happyisland.jp/
「ああ、おいしい」―群馬県高崎市のステーキ&ハンバーグ店GGC高崎本店(運営:HAPPY ISLAND 以下ハッピーアイランド)の上州牛ステーキは、なんとも言えない幸福感をもたらした。
同社は高崎市・前橋市に5店舗を持つ。2020年の春は社会全体に不安が増し、先が見通せない状況であったが、同社を信頼する顧客は「おいしいものを食べに」足を運んでくれた。
以前からPOSレジによる販売動向の把握に加え、ポイントカードを利用した顧客データの蓄積とDM送付、SNSの活用を通じた販促策を展開し、来店数を増やしてきた。コロナ禍においては、顧客データベースの価値を再確認したという。
「DMを楽しみにしてくださっているお客様も多く、コロナ禍になっても、スタッフが手書きで一言添えることは継続しました。最近『LINE公式アカウント(旧LINE@)』でも情報を流しており、再来店への策が打てる仕組みを持っていてよかった」とマーケティングやIT活用を指揮する同社取締役の福島展子氏は振り返る。
この2年間では、テイクアウト商品のネット予約開始、タッチパネル型のオーダーシステムの導入、自社店舗共通のスマートフォンアプリの提供など、顧客の利便性を高めつつ、社内も効率化できるIT活用を実施した。
21年10月には、一番規模が小さい店舗をテイクアウト専門店「GGCキッチン」に改装し、セントラルキッチンスペースを併設した(「事業再構築補助金」を活用)。
セントラルキッチンには大型の調理機械を導入。例えばハンバーグの調理では、肉をこねる作業が5倍にスピードアップ。指定のルートで各店に配送、店舗で焼き、最終調理を行う。会社全体での効率化や品質維持を実現したのである。
福島氏は次のように振り返りつつ、今後の展望を語った。
「実行資金に関しては、高崎商工会議所からの新型コロナ対応の各種補助金を案内いただき、やりたかったことを実現できました。飲食業がなくなることはありませんが、価格を抑える方向と、高いサービスを提供する方向に二極化していくのではないでしょうか。お客様の変化を見ながら、サービスを磨いていきたいと思います」
【事例からヨミトル】
- 顧客データは会社の財産といえます。
- ネット予約やタッチパネル型オーダーシステムなど、顧客が利便性を感じ、店も効率が良くなるITをうまく活用しましょう。
- 経営環境が大きく変わった時は、改革のチャンスでもあります。

IT経営マガジン「COMPASS」編集長
◇石原 由美子/いしはら・ゆみこ
アップコンパス代表。教材編集や講師業を経て、情報処理技術者試験の書籍編集、モバイル分野の雑誌編集を担当した後、IT経営マガジン「COMPASS」https://www.compass-it.jp/の編集に携わる。中小企業支援機関・支援者と連携しながら、中小企業が主体となる等身大のIT活用をテーマに、全国の事例を取材し、その本質を伝えている。各地の商工会議所においても、IT活用事例・DX入門等のセミナーを担当。

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