ストレスの原因の一つに「認知のゆがみ」というものがあります。これは、世の中をありのままに見ているつもりでも、人によって見え方が違い、個人差が大きく出てしまうということです。価値観や考え方の違いというと分かりやすいかと思いますが、それが偏ってしまうと、正常な判断が難しくなったり、ストレスの原因になったりします。
「認知のゆがみ」を引き起こす思考パターンは次のようなものです。
1.0か100思考
完璧主義ともいえますが、物事を二極化し、「0か100か」「白か黒か」のように、両極端に考えてしまう傾向です。少しのミスでも失敗と捉えて、完璧にこなさなければ成功ではないと考えるので、常にストレスを抱えることになります。
2.すべき思考
何かをするときに「必ず~すべきである」と思い込む傾向です。逆に価値観に合わないことは「絶対に~すべきでない」となりやすく、かなわないと自己嫌悪に陥ります。また、そうしない他人に対しても怒りや葛藤を感じやすくなります。
3.レッテル貼り
学歴、出身地、ひいては血液型などのパターンに当てはめて分析したつもりになり、根拠もないのに「あの人はこうだ」と決めつける傾向のことです。悪いレッテルを貼れば、良いところは見えなくなり、信頼関係を築きにくくなります。
4.マイナス思考
何でも否定的に捉えてしまう傾向です。誰にでも感情の波はあって当然ですが、悪い方にばかり考えてしまい、落ち込みやすく立ち直りが遅いため、ストレスを抱えやすい状態が長く続きます。
このほかにも、陥りやすい思考パターンがありますが、全てに共通するのは「一つの価値観だけで物事を決めつけてしまい、そこから抜け出せないこと」です。さまざまな価値観を臨機応変に使い分けていくことにより成長できるので、広く多角的な視点が必要です。そのような視点を得るためには、今とらわれている思考パターンに気付くことが重要なのです。一つの価値観や思考に固執しないことで、自分自身の自由度を高めることができ、より柔軟で豊かなストレスフリーな毎日を手に入れられることにつながります。

日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野 萌子
◇大野 萌子/おおの・もえこ
法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで5万人以上を対象に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)ほか多数。

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