気象予報士×税理士 藤富郷のクラウドな話

コラム

「『青春18きっぷ』40年たっての大改正」


 誰もが一度は聞いたことがあると思われる「青春18きっぷ」。JR線の全区間の普通・快速列車が1日乗り放題になるお得なフリー切符ですが、実際に利用したことがある人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。私は学生の頃、何度も利用して旅をした思い出があります。
 この「青春18きっぷ」は、約40年もの間続いていますが、実はこの冬、利用方法が大きく変わりました。個人的には使いにくいものになった印象です。では、どのように変わったのかを見てみます。
 まず、この切符は春休み・夏休み・冬休みの期間にのみ発売されるもので、年齢にかかわらず誰でも利用できます。これまでは、乗車日の0時から24時まで乗り放題の切符5回分がセットで、料金1万1000円+税で長く販売されてきました。特急などには乗れないため時間がかかりますが、1日2千円ちょっとで全国どこまでも行けるのは魅力たっぷりです。さらに、この5回分は、使用期間内であれば別の日に分けて使うこともでき、同じルートであれば1枚の切符を複数人で使うことも可能でした。
 しかし、この冬の改正で、それができなくなってしまいました。購入時に指定した連続する日付に限定されるようになり、1枚の切符をグループで利用することが不可能になったのです。新しく自動改札が使え、5日券だけでなく3日券が加わるなどのメリットはあるものの、それでも鉄道ファンの間では賛否両論があります。例えば、これまでは1セットあれば、3人で一緒に旅ができたのですが、改正後は3枚必要になりますので、料金が3倍になってしまうからです。
 話は戻りますが、私が学生の頃には「青春18きっぷ」で東京から大垣を深夜走る「ムーンライトながら」号に乗り、横浜から京都、敦賀、舞鶴を通って加古川までのジグザグルートを、2千円ちょっとで移動したものです。また、先輩と一緒に1泊2日で紀伊半島一周のお得旅をしたのも良い思い出です。途中下車も自由にできるため、ローカル線を満喫するには最高の切符でした。
 現在は、深夜列車がなくなり、乗れるのは始発からになってしまいますが、早くて便利な移動では見られない景色を「青春18きっぷ」で堪能してみるのも良いですね。家族や大切な人たちと一緒に、時には少し遠回りをして時間をかける、ゆったりとした旅も心に残るものです。
 今回の冬の改正は試験的ということですが、これからも時代や世代を問わず人気のある「青春18きっぷ」であり続けてほしいと願っています。


気象予報士兼税理士

藤富 郷

◇藤富 郷/ふじとみ・ごう

 気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビ「スッキリ」に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、”複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。