気象予報士×税理士 藤富郷のクラウドな話

コラム

「万博が生み出す乗り物たち」


 大阪・関西万博が始まりました。未来や世界を体験することができる万博は、心が躍りますね。私も小学生の時につくば万博が開催され、あれもこれも見たいと何度も出かけたものです。3D映像や携帯電話、ロボットなどを見てワクワクした記憶があります。中には新しい交通機関、未来の乗り物もありました。それらは、後に実現した物もあり、まさに万博から生み出された乗り物ともいえます。
 1970年の大阪万博においては、広く知られるようになった「動く歩道」のほかに、会場を回る「モノレール」も注目されました。すでに羽田空港への東京モノレールはありましたが、都市交通に適した構造として、日本独自に研究された平床のモノレールは初めてでした。渋滞に巻き込まれない交通手段で、高所からの展望が良く、観光面の効果もあるため、その後は多摩や沖縄など全国に広がりました。
 また、万博に向かうアクセス手段として、初めて乗る人が多かった「新幹線」は、「動くパビリオン」とも呼ばれていました。当時は、夢の超特急ともいわれていた乗り物が、次第に日常で使われるようになり、高速鉄道時代へと世界を変えていったのです。
 1985年のつくば万博では、「リニアモーターカー」が大きなトピックでした。磁石の反発力を利用し浮上して進むリニアモーターカーは、当時の国鉄で実験されていましたが、まだまだ図鑑で見るだけの遠い夢の鉄道のイメージでした。ところが、万博会場内では浮上の仕組みは違うものの、実際に走行を可能にし、人も乗れるということが非常に驚きでした。未来がすぐそばにあると実感したものです。
 そのリニアモーターカーは、2005年の愛知万博で、会場へのアクセス鉄道に採用され、愛知高速鉄道「リニモ」として開業しました。つくば万博から20年後の万博で初の営業運転が実現したわけです。
 つくば万博では、もう一つ注目する乗り物がありました。「連節バス」です。2台のバスがつながったような構造のバスで、臨時の万博中央駅から会場へと多くの客を輸送するため、日本で初めて導入されました。法律の制限により、本格導入は13年後の千葉の幕張からでしたが、今は岐阜市を始め全国の主要都市で見られるようになっています。
 そして、今回の大阪・関西万博では、「空飛ぶクルマ」に注目しています。万博はこれまで夢のような乗り物を実現へと導いてきました。私も間もなく、会場でクルマが飛ぶ様子を楽しみ、未来の移動手段に思いをはせるつもりです。

気象予報士兼税理士
藤富 郷

◇藤富 郷/ふじとみ・ごう

 気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビ「スッキリ」に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、”複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。