「メールでのクレームへの対処法」
メールなどを通じて、クレームが入ることが多くなっていると思います。このように、相手とのやりとりがマイナススタートとなる場合は、さらなる火種をつくらないよう慎重に対応しなくてはなりません。そのためには、こちらの意向を理解してもらえるよう「相手の気持ちを意識した文面」「分かりやすく受け止めやすい表現」にする必要があります。そのポイントについてお伝えします。
不備やトラブルがあった場合は、事実関係の確認や説明も重要なのですが、まずは相手が訴える主感情を見極めることが大切です。事実よりも先に、相手の感情にフォーカスすることです。例えば、「不信感」「怒り」「不安」「焦り」などの気持ちを見極めて、緩和する方法はただ一つ。「受け止めること」です。
「どういうつもりですか?!」というような怒りのこもった質問形式のメールに関しては、問いに真摯(しんし)に答えようとすればするほど「そんなつもりではない」と、こちらの言い分を並べてしまいがちです。しかし、それでは逆効果です。相手は、こちらの思いや都合などに関心はありません。答えて良いのは、例えば手続きの方法など、事実の問い合わせに対してのみです。単なる「確認事項」や「方法」といった内容であれば、速やかに答えてください。しかし、姿勢や思いなどに関する問いには、「答える」のではなく「応える」ことが大切です。相手が伝えてきた内容を、そのままのフレーズを使って受け止める表現が必要です。訴えている気持ちが受け止められたか否かが、それ以降の状況に大きな影響を及ぼします。
その上で、なぜそのような状況になったのかを伝えることも必要なのですが、人は相手からの言い訳を拒否する傾向があります。言い訳は、マイナスイメージで捉えられやすく、責任転嫁していると認識されやすいからです。言い訳と捉えられないようにするためには、「○○と思っていた」などの感情論をできるだけ避けることです。事実を先行させ、簡潔に伝えることを心掛けましょう。事実を伝えることは説明することであり、「実際に何が起きたのか」を知りたい欲求に応えることになります。
ただし要領を得ないと、原因も分からず謝罪しているのかと、さらに怒りを買う場合がありますので、トラブルの原因をあやふやにせず、不手際や失敗など、ミスの原因を端的に伝えましょう。その結果、相手に受け入れられやすくなり、さらなるクレームを避けることにつながるのです。
日本メンタルアップ支援機構 代表理事
大野 萌子

◇大野 萌子/おおの・もえこ
法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで5万人以上を対象に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書にシリーズ51万部超『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)ほか多数。
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