今年は暑さの訪れが早く、5月なのに35度以上の猛暑日のところがありました。この暑さが原因で引き起こされるのが、「熱中症」です。
以前は「日射病」という言葉が知られていましたが、太陽の日差しだけでなるわけではなく室内でも発症するため、熱中症という広い意味の言葉が使われるようになりました。実際、東京消防庁の調査では、住宅内での発症が4割以上で一番多く、日差しがないから安心とはいえなくなっています。高熱を発症するのが熱中症の特徴で、体温をコントロールができない状態になり、命に危険が及ぶことがあります。
熱中症は人ごとではありません。ここ20年で亡くなる人が5倍にも増えており、身近な症状になっています。原因は、近年の温暖化の影響で「猛暑日」という言葉が生まれるくらい気温が上がっていることです。私も10年ほど前、夏の炎天下に1時間くらい散歩したところ、急に熱っぽくなりふらふらしてきました。症状は軽く意識はしっかりしていたのですが、初めて熱中症を経験し、決して大丈夫だと思ってはいけないと感じました。
このような命に関わる熱中症は予防できます。その方法は「気温を数字で知ること」です。まず、天気予報で「予想最高気温」を確認し、今日の熱中症の危険度合が判断できれば、備えることができます。そして、そばに温度計を置いて、今の気温がどこまで上がっているのか数字で確認することが大切です。特に高齢になると気温を自分の感覚で判断することが難しくなってきますので、数字で見ると分かりやすくなります。
また、熱中症になりやすい危険な日は昼間の外出を控えることが大切ですが、どうしても、日差しが強く一番気温の上がる時間に出かけないといけない場合もあるかもしれません。そのときに効果的なのは「日傘」です。日差しを直接受けないことで、頭頂部の温度が日傘の下では10度以上も低かったという研究結果があり、まさに自分だけの木陰になります。最近は男性でも日傘を使う人が増えてきています。昔からのイメージで恥ずかしさもあるかもしれませんが、今はシンプルなデザインの日傘もあります。紫外線対策にもなり、「日傘男子」としてむしろ意識が高く感じてもらえるのではないでしょうか。熱中症は命にも関わりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

気象予報士兼税理士 藤富 郷
◇藤富 郷/ふじとみ・ごう
気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。
大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビ「スッキリ」に気象キャスターとして
出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受
賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プ
ログラミングやダムにも造詣が深く、“複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍
中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。

