「冬のイルミネーションは青色が輝く」
イルミネーションが美しい季節になりました。色とりどりの光があって、それぞれに表現も豊かですね。皆さんは何色のイルミネーションが好きでしょうか? 私は青色が好みなのですが、毎年ブルーの光で木々がキラキラと輝く、地元の公園がお気に入りのスポットになっています。
冬は青色ライトが特に映える季節で、「寒さ」や「静けさ」「寂しさ」という季節感が、青色の透明感とマッチして心に伝わってきます。ただ、伝わってくるのは感覚的なものだけでなく、実は、天気も関係しています。
冬の天気の特徴である「西高東低」の気圧配置では、太平洋側は冬晴れで北風が吹き、下降気流となります。ちりやほこりが舞い上がりにくく、遠くまで見通しが良くなります。空気も乾燥しており、澄んだ空が広がるわけです。そうなると、光の散乱が抑えられて、波長の短い青い光もしっかりと届くことになります。つまり、澄み切った冬晴れは、夏よりも青い光が感じられるようになります。
一方、日本海側の雪の中でも、青色のイルミネーションは印象的に映ります。雪の結晶は、波長の長い赤い光を吸収しやすく、雪の中を通り抜ける間に赤は弱まっていきます。一方で、吸収されにくい青い光は強調されます。氷河が青っぽく見える原理と同じです。雪の中で青い光は柔らかく広がり、冷たさや静寂感とマッチして幻想的な風景となります。もともと雪は反射率も高いので、光は2倍から3倍にも広がっていくことになります。
そして、もう一つ面白い現象があります。それは「プルキンエ現象」といって、人の目は暗くなるほど青色が見えやすくなるというものです。暗闇の青い光は、境界もくっきりと見えるようになります。暗くなる時間が早い冬は、仕事帰りの時間帯に青いイルミネーションがひときわ奇麗に見えてきます。
このように青い光が際立つ冬の天気ですが、冬の強い風も一役買っています。風が強いと、空気の密度の差ができて光の屈折率が変わります。光が揺らいでキラキラと瞬いて見えることで、冬の青い光がより印象的になるわけです。
冬に輝く青いイルミネーションが好きなのは、季節や天気、人の特性や心の動きといった要素に、自然と寄り添っていたからなのかもしれません。青色LEDが普及したことで、イルミネーションもさまざまな色が楽しめるようになりました。この冬は、光の色に着目して、各地の光の祭典を楽しんでみるのもいいですね。
気象予報士兼税理士
藤富 郷
◇藤富 郷/ふじとみ・ごう
気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビの情報番組に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、”複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。

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