「LGBTQ問題にどう向き合う?」
皆さまの職場では、LGBTQに関して、どう取り組んでいるでしょうか。私は、同テーマの研修を依頼されることがありますが、単独テーマでの研修はお断りしています。なぜなら、かえって問題を引き起こす可能性があるからです。今まで気にも留めていなかったことをあえて注意喚起すると、日和見リベラルの(状況をうかがい、事態が自分の都合の良い方に動くのを見定めてから態度を決定しようとする)人々が、急に注視することで新たな差別が生まれてしまう場合があるためです。
そもそもLGBTQとは、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の総称です。
Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)
Gay(ゲイ、男性同性愛者)
Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)
Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)
Queer(クィア、前記四つ以外)、またはQuestioning(クエスチョニング、はっきりしていない人)を意味します。
日本におけるLGBTQの割合は、人口の9.7%(電通グループ「LGBTQ+調査2023」調べ)となっています。これは、日本人の中で多い名字ランキング上位の「佐藤・鈴木・高橋・田中・伊藤(敬称略)」を合わせた728万9000人(出典:名字由来net)が日本の人口に占める割合(5.8%)よりも多く、これらの名字を有している人が周りにいるのと同じくらいの感覚です。そうすると、決して稀(まれ)ではないことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、左利きの人とも同じくらいの割合です。もし職場で、「作業や食事をするときに、左利きの人の左側に座るなんて配慮がない」と教育を受けたらどう感じるでしょうか。私にも左利きの友人がいますが、カウンター席で隣り合わせたときに右利きの私の腕がぶつかってしまったことがあり、それ以来、どちらともなく位置を確認するようになりました。次からは反対側に座ろうという程度の問題です。不都合があったら、それを次から回避する。それで十分ではないでしょうか。
何も起こっていないうちから「配慮しないとダメ」と強要されたら、左利きの人とご飯を食べるのは面倒だなと思うかもしれません。そのようになってしまっては、本末転倒です。配慮の強要はせず、無用な差別やトラブルは避けたいですね。る傾向にあると思いますが、コミュニケーションツールの一つとしてのスキルは、社内教育をしてでも残しておくことが大切です。
日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野 萌子

◇大野 萌子/おおの・もえこ
法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで5万人以上を対象に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書にシリーズ51万部超『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)ほか多数。
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