先日、貸し切り列車に乗ってきました。乗車したのは、小田急ロマンスカー「VSE」です。白いロマンスカーとして知られており、箱根に向かう看板特急です。2005年にデビューした比較的新しい電車ですが、特殊な装置が多くメンテナンスが難しいため、2023年12月にわずか18年で引退となりました。乗車した当日は引退日の2週間ほど前であり、こんなに快適できれいな車両なのに残念、と思いながら最後のお別れをすることができました。
最近は鉄道関係の友人が増えてきて、貸し切り列車のお誘いを受ける機会が多くなりました。通常は走らないルートを走ったり、ロングシートの通勤電車で食事やお酒を楽しんだりと、普段の電車では決してできない体験ができるのが貸し切り列車の醍醐味(だいごみ)です。
「電車を貸し切るのは大変だよね」と友人に尋ねてみたところ、今回のように大がかりでなくても、人数さえそろえば、観光バスと同じように貸し切りできるということでした。特に、地方鉄道は貸し切りがしやすいようです。検索してみると、関東鉄道や富山地方鉄道、高松琴平電気鉄道など、自社のホームページに貸し切り列車の情報を載せているところもあります。
車内で飲食でき、持ち込みも可能です。飲み放題があったり、お弁当の手配をしてくれたりするところもあります。バスと違って車内の移動が自由なので、いろんな座席を回って話せるのもいいですね。青森を走る弘南鉄道では、電車の床に畳を敷いたお座敷列車が運行されます。
料金も、乗車区間の運賃を車両の定員分支払えば貸し切れる場合が多く、普段の飲み会の金額+α程度で楽しめます。その中でも路面電車は小さい車両1両だけで走るので、少ない人数で手頃な価格になっています。
職場の仲間との宴会や、サークルのパーティーなど人数が集まるイベントがあれば、貸し切り列車の利用はお勧めです。周りの人を気にせず、みんなでにぎやかにできますし、移り変わる景色を眺めながら楽しめるのは、店では味わえない思い出になります。普段、鉄道をあまり使わない人も、ぜひ貸し切り列車に乗ってみてください。地域にとって重要な鉄道の良さを、改めて感じられていいですよ。鉄道を利用して残せるようにすることも、地域経済の基盤として大切です。
春には、満開の桜を貸し切り列車の車窓から花見をするのもいいですね。ただ、トイレがない車両が多くトイレ休憩の時間まで待たないといけないので、飲み過ぎにはご注意ください。
気象予報士兼税理士 藤富 郷

気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビ「スッキリ」に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、“複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。

