「働くママと子育て中のママを支えるデジタルツールの活用術」
ポンテ・パシフィック株式会社は、抱っこひも「Pikimamaスリング」の開発と販売を通じて、育児を楽しむママたちを支援する企業です。代表取締役のグエルシオ花アリシア氏が第一子の誕生後、自身の経験を基に抱っこひもを開発したことがきっかけとなり、2019年に創業しました。育児と仕事の両立が求められる時代に、同社は独自の働き方や顧客との深い関係性を築くことで成長しています。
同社のデジタル化は、働くママ(スタッフ)たちが日常的に使用しているツールを活用し、柔軟なシフト調整やタスク管理を行っている点が特徴的です。シフト調整には、家族や友人間でのスケジュール共有に広く使われているTimeTreeを採用しています。スタッフは自分の予定を確認しながら、業務が立て込んでいる時期にはシフトを増やし、育児が忙しいときにはシフトを減らすといった柔軟な働き方が可能になっています。
業務の引き継ぎや社内コミュニケーションには、LINEのグループチャットを活用しています。日ごとの進捗(しんちょく)状況や翌日の作業内容など社内の情報共有がスムーズに行われ、迅速な対応が可能となっています。
生産管理ツールとしては、タスク管理で幅広く使われているTrelloを活用し、製造工程ごとの進捗や付帯作業の進捗を可視化しています。これにより、スタッフ全員で生産状況や優先作業を共有しています。このようなデジタルツールの活用により、働くママたちが育児と仕事の両方を柔軟に調整し、無理なく両立できる環境を整えています。
またスタッフだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションもデジタルを使いながら、長年の友人のように対等で温かみがあることを大切にし、自然体での対話を心掛けています。例えば、Zoomでのやりとりの際も、最後に親しみを込めて「バイバイ」と言って終了したり、コロナ禍ではインスタライブを通じて孤立しがちなママたちと交流したり、沖縄在住のファンがスタッフとなってユーザーサポートやコミュニティ活性化などを担っています。このようにユーザーと親しみやすい関係を構築することが、事業成長を後押しする重要な要素です。
(この事例は筆者取材時のものであり、現在では異なる場合があります)
ウイングアーク1st株式会社 データのじかん主筆
大川 真史

◇大川 真史/おおかわ・まさし
ウイングアーク1stデータのじかん主筆。IT企業を経て三菱総合研究所に12年間在籍し、2018年から現職。専門はデジタル化による産業構造転換、中小企業のデジタル化。オウンドメディア『データのじかん』での調査研究・情報発信が主な業務。社外活動として、東京商工会議所ものづくり人材育成専門家WG座長、エッジプラットフォームコンソーシアム理事、特許庁I-OPEN専門家、ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会中堅中小AG副主査、サービス創新研究所副所長など。i.lab、リアクタージャパン、Garage Sumida研究所、Factory Art Museum TOYAMA、ハタケホットケなどを兼務。各地商工会議所・自治体での講演、新聞・雑誌の寄稿多数。近著『アイデアをカタチにする!M5Stack入門&実践ガイド』。

