気象予報士×税理士 藤富郷のクラウドな話

コラム

「事業の組み合わせが未来を創る」


 3年間「クラウドな話」として、気象や防災、鉄道、税など、いろいろなテーマで書いてきました。まさに自分の頭の中をクラウドサーバーとして、情報を取り出した感覚です。
 テーマで掲げたものは仕事としているものも多く、どれも片手間ではなく責任感を持って「複業」として取り組んでいます。分野がバラバラのため、それぞれアップデートをするのが大変ですが(特に税法が毎年変わる…)、本業・副業と区別していたわけではないので、この3年間で周辺環境が変わっても、臨機応変に対応できた感じがします。
 一つの事業に長く携わっていると、複数の事業をこなすのはなかなか大変です。すでに自社としての売りがあるだけに、別の軸をつくるのは困難を極めます。
 例えば、一本足で立っていることで知られるフラミンゴは長く観察していると、実は足を入れ替えています。体温が下がったり疲れたりと、状況の変化に対応しているのです。軸は1本ではなく2本あるからこそ、1本でも安定して立っていられるわけです。
 とはいえ、自分のように、まったく関係ない分野に飛び出すばかりではありません。これまで長く続けている分野を再確認し、その分野では当たり前のことが、視点を変えて他の分野から見れば、新鮮だったりするわけです。そこに気が付いた瞬間、アイデアが生まれることがあります。これまでの設備や技術、経験が強みとなって活用され、別の分野でのやり方や悩みの解消につながります。そこに新しい需要が生まれ、独自性をつくってもう一本の軸になっていきます。
 世の中の事業も、完全にゼロから生まれたアイデアはほとんどありません。すでにある要素を組み合わせることで、今までなかったものに見えるだけです。そのためには、客観的に今の事業を見つめ直すことが大切で、他にも使えるかどうか探求すると世界が広がっていきます。組み合わせを恐れずにチャレンジすれば、可能性はまだいくらでも眠っています。
 さて、自分の新たな複業ですが、複業自体を掛け合わせてみました。「気象・防災」×「税務・会計」=「会社防災タイムライン」です。共通点がないような事業ですが、それぞれの知識と経験が何かしらつながらないかと模索し続けてきたので、アイデアを形にできた今、事業が広がりつつあります。
 複業を掛け合わせることで、新しい流れが生まれます。途中で進む方向を変えたり、最短ルートを見つけたり、スピードアップも可能で、まさに鉄道の複々線のようです。このことから個人的には、複業の掛け合わせを「複々業」と呼びたいところです。
 皆さんと、またどこかでお会いできることを楽しみにしています。

気象予報士兼税理士
藤富 郷

◇藤富 郷/ふじとみ・ごう

 気象予報士、税理士。埼玉県三郷市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了。大学院在学中に気象予報士に登録。日本テレビの情報番組に気象キャスターとして出演しながら税理士試験に合格し、2016年に開業。21年に越谷税務署長表彰受賞。趣味の鉄道では、鉄道イベント出演や時刻表、鉄道模型雑誌にコラムを寄稿。プログラミングやダムにも造詣が深く、”複業”として得意を組み合わせて幅広く活躍中。地元の「三郷市PR大使」を務めるなど、地域との関わりも深めている。